フェーズごとに行動指針を設けて効率的な救護を行う
日本は世界の中でも非常に災害が起きやすい国ですので、災害によってけがをしたり、避難生活をしている人のケアをしたりすることが非常に重要なものとなっています。
そのため、これらの保険活動と医療救護活動を効率よく行うために、フェーズごとの行動指針を取るという考え方がなされています。
フェーズとは、「段階」や「局面」という元々の意味合いがあり、時間軸におけるそれぞれの段階で何に集中して活動をするか、どんな行動をするかということをあらかじめプログラムしているのです。
たとえば、大規模災害で多くの負傷者が発生している場合には、まずは応急措置をすること、命が助かる見込みがある重傷者のケアを優先させるなどの原則があります。
その後、ある程度落ち着いてきたら、軽傷者のケアに当たっていくという形になります。
こうした対応原則をあらかじめ定めておくことで、災害時の緊急で混乱が生じやすい現場でも、冷静かつ効率よく働けるようになるのです。
災害時のフェーズごとの保険活動
保険活動という面においては、災害発生時24時間はとにかく初動体制を取るということに重点が置かれ、情報収集や必要なチーム、地域、器材などの検討と準備がなされます。
そして、災害から72時間においては、生命と安全を確保するための活動がなされ、レスキューなどと共同で重傷者のケアや搬出、病院もしくは現場での処置などを行います。
その後の段階では、避難所での生活がスタートしますので、避難所で健康を崩すことないように心身のケアを行っていくことになります。
次のフェーズでは仮設住宅の生活のサポートということで、見回りや定期健診などを通じて、安定した生活を送れるように助けていくことが重要となります。
最終的には地域全体で復興がなされるようにサポートしていくことになります。
医療救護活動におけるフェーズの詳細
災害が発生した直後から6時間後程度は、緊急出動を含めて負傷者へのケアを始める段階となります。
そして72時間以内までは、多数の負傷者が病院などに搬送されて治療を受けることになりますが、交通機関が麻痺していることやスタッフが少ないことから、最もハードなフェーズとなります。
その後、災害発生後1週間程度まで、徐々にライフラインの復旧やスタッフの他地方からの派遣などによって、医療現場に落ち着くが取り戻されていくというフェーズが生じます。
次のフェーズは1か月までくらいの期間を目安として、交通機関、ライフライン、病院機能の正常化がかなりの程度進んでいくという事態が想定されています。
その後避難生活が安定していき、緊急用の医療体制や避難所などが閉鎖されていくという形で進行していきます。