医学部定員が減らされる可能性がある
医学部の定員というのは、政府主導の下で状況に応じて調整されています。
そこにあるのは、医師の数そのものを適切に保つということで、医師の不足が生じると質が低下しますし、逆に医師の数が多くなりすぎると医療費の負担が大きくなりますので、財政を圧迫してしまうことになります。
そこで、定期的に医師の卵である医学部の定員を調整することによって、医師の絶対数をコントロールしているのです。
現在のところは医師の数が不足しがちだったという状況があり、医学部の定数は増やされています。
しかし、あくまでこれは暫定的な数字であり、以前のような少なめの定員に戻される可能性があるのです。
2020年が医学部定員減数の境目となる
この医学部定員の調整はこれまでも度々なされてきましたが、直近の調整は2020年となっています。
この年までは定員枠を増やすことになっていますので、過去と比べても医学部生が多い状態が続きます。
しかし、現在の状況は少子化が進み、将来的には人口減が確実となることから、相対的に医師の数が減っていくべきとなります。
また、高齢化が急速に進んでいるため、医療費の財政への圧迫がとても大きなものとなっています。
そのため、医学部定員を減らすという流れ、もしくは今までの定員数に戻すべきだという考えが強くなっているのです。
この調整がなされる、つまり今までの定員に戻されると全体で800人減ということにあります。
それだけ医学部へ入るための競争が激しくなりますし、受験も難しくなります。
そのため、高校在学中の生徒が混乱してしまわないように、早めに進路についての決定ができるように、近いうちにこの2020年における調整の決定がなされることになっています。
同時に働き方の改革を行うことが議論されている
2020年における医学部定員の調整はこのような形でなされていますが、同時に医師の働き方改革についての議論も必要となっています。
現在のところ、一人の医師に過大な負担がかかっている現場がありますし、超過勤務が非常に多いというケースも珍しくありません。
医療事故を減らすためにも、医師のストレスを軽減するためにも、現場における働き方の改善が求められているのです。
医学部定員削減によって医師の数が減れば、当然医師の負担も大きくなりますので、定員削減を実現するためには、より働きやすい環境を作ることが欠かせません。
この二つの面での議論が同時に行われ、質を落とすことなく医師の負担軽減、そして医療費削減を実現できるようにすることが大きな課題となっています。
この決定により、受験事情や医療現場の状況に変化が生じますので、これからの動きに要注目と言えるでしょう。