適切な薬を処方する
薬剤師というと、ドラッグストアや調剤薬局で調剤をしたり、症状にあった市販薬をアドバイスしている姿を思い浮かべるのが一般的です。
薬剤師は、医薬品に関わるスペシャリストです。
病気やケガを治すために薬を調合したり、医師の処方箋の指示に従って患者に適切な薬を処方するのが主な仕事です。
医師の指示通りに薬を出すのが仕事であるために、簡単な仕事であると思われがちです。
しかし、処方する薬を間違えたり、患者さんが飲み方や容量を間違えて服用すれば命にかかわることもあります。
そこで、正しい服用方法をしっかり説明することや、処方箋通りに渡せているかしっかり確認したり、医師の処方にミスがないかを確認したりすることが必要であり非常に神経を使う仕事であるといえます。
確かに、このような仕事をしている薬剤師が大多数を占めるのですが、他にも薬剤師の職場はあります。
他にも製薬会社で新薬の研究をしていたり、病院でチーム医療の一員として勤務していたりと、その雇用の幅は広がりをみせています。
薬剤師免許を手に入れる
薬剤師は国家資格なので、国家試験に合格することが必要です。
そして、国家試験を受験するための資格を得なくてはなりません。
薬剤師国家試験を受験するには、薬学部や薬科大学といった薬学を学べるところを修了する必要があります。
かつては4年制でしたが平成18年度の入学者からは6年制の課程を終えなければ国家試験の受験資格が得られなくなりました。
国家試験に合格して申請をすれば、厚生労働省の薬剤師名簿に登録されて薬剤師免許が与えられます。
試験は合格率が70パーセントから90パーセントと高めです。
しかし、試験は年に一度しかあれこれ行われないために、万が一不合格になると翌年まで試験が受験できません。
就職先が決まっていた場合も資格がないために採用取り消しとなることがありますし、浪人生の合格率はかなり低いので現役での合格が望まれます。
国家試験の結果が出る前に、多くの人は就職活動をして就職サイを決めています。
最も多いのが、調剤薬局やドラッグストアの薬剤師です。
これは、最近ドラッグストアが急増していることに伴って求人も多く就職が決まりやすいとされています。
他にも民間の製薬会社や大学の研究機関で新薬の研究や開発をする仕事もありますし、公務員となって保健所で食品衛生監視業務をしたり、麻薬取締官としての仕事をしたりという選択肢もあります。
ただし、これらは人気でありなおかつ狭き門であるために採用されるのはとても難しい試験です。